『ぼっち・ざ・ろっく!』に影響を受けてギターを始めた皆さん。ようこそ沼の世界へ。私も『けいおん』のあずにゃんに憧れてギターを始めたクチです。
そういった初心者の方に、知っておいたほうがテクニックの幅が広がるギタリストを紹介します。
- 1 ギタリスト「ヴァンヘイレン」について
- 2 ロックバンド『VanHalen』について
- 3 VanHalenのアルバムを紹介・レビュー
- 3.1 Van Halen /炎の導火線(1978年)
- 3.2 Van Halen II/伝説の爆撃機(1979年)
- 3.3 Women and Children First/暗黒の掟(1980年)
- 3.4 Fair Warning/戒厳令(1981年)
- 3.5 Diver Down/ダイヴァー・ダウン(1982年)
- 3.6 1984/1984(1984年)
- 3.7 5150/5150(1986年)
- 3.8 OU812/OU812(1988年)
- 3.9 For Unlawful Carnal Knowledge/F@U#C%K(1991年)
- 3.10 Balance/バランス(1995年)
- 3.11 Van Halen III/ヴァン・ヘイレンIII(1998年)
- 3.12 A Different Kind of Truth/ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース(2012年)
ギタリスト「ヴァンヘイレン」について
ロックバンド「VanHalen」のギタリストで、「エディ」という愛称で親しまれています。1955年にオランダで生まれ、2020年に65歳で亡くなりました。攻撃的なディストーションサウンド、右手で指板を叩いて音を出す「ライトハンド奏法(タッピング)」やアーミング奏法で有名になり、史上最高のギタリストとして広く知られています。
ロックバンド『VanHalen』について
1972年にエディ・ヴァンヘイレンと弟のアレックス・ヴァンヘイレンによって結成されたロックバンドです。
非常にややこしいのですが、苗字がそのままバンド名になっています。シンガー「ジョン・ボンジョビ」とロックバンド「ボンジョビ」の関係と同じです。日本人の感覚からすれば馴染みがないと思いますが、洋楽ではよくあります。バンド名が『田中』とか『山本』と同じことなので、不思議な感覚になりますが・・・。
VanHalenのアルバムを紹介・レビュー
※ 原題/日本でのアルバム名(和訳)(発売年)
Van Halen /炎の導火線(1978年)
『Van Halen /炎の導火線』の解説
『VanHalen I』とも呼ばれる、ファーストアルバム。
右手で指板を叩いて音を出す『ライトハンド奏法』を織り込んだギターソロ『Eruption』、車のCMソングとして馴染みがある『Ain’t Talkin’ ‘bout Love』などが収録されています。
1枚目特有の勢いと鋭利さ、キャッチーさが共存している珍しいアルバム。ロックギター好きなら、必聴です。
『Van Halen /炎の導火線』の必聴曲
・Runnin’ with the Devil
・Ain’t Talkin’ ‘bout Love
・Eruption
・You Really Got Me(Kiinksのカバー)
Van Halen II/伝説の爆撃機(1979年)
『Van Halen II/伝説の爆撃機』の解説
全米15位の『Dance The Night Away』、ガットギターでの速弾きギターソロ曲『Spanish Fly』を収録した2枚目アルバム。
『Van Halen II/伝説の爆撃機』の必聴曲
・Dance The Night Away
・Somebody Get Me a Doctor
・Spanish Fly
Women and Children First/暗黒の掟(1980年)
『Women and Children First/暗黒の掟』の解説
バンド初の全てオリジナル楽曲で固められた、ハードロック、パンク、プログレッシブロック、ブルースなどの多くのジャンルが融合したアルバム。バンドの方向性や「VanHalenらしさ」を決定づけた作品です。
『Women and Children First/暗黒の掟』の必聴曲
・Everybody Wants Some!!
・Romeo Delight
Fair Warning/戒厳令(1981年)
『Fair Warning/戒厳令』の解説
一言でいうなら、「トリッキーなアルバム」。完成度が低いといえばそれまでですが、VanHalenの挑戦が全面に出た、好き嫌いがはっきり分かれる作品です。
『Fair Warning/戒厳令』の必聴曲
・Mean Street
・Unchained
Diver Down/ダイヴァー・ダウン(1982年)
『Diver Down/ダイヴァー・ダウン』の解説
12曲のうち5曲がカバーです。キーボードやシンセサイザーを多用した曲が多く、従来の「エディのギター中心」音楽を壊した挑戦的なアルバムです。ギターでシンセサイザーのような音を出したギターソロ曲『Cathedral』は、エレキギターの可能性を広めた名曲です。
『Diver Down/ダイヴァー・ダウン』の必聴曲
・Cathedral
・(Oh) Pretty Woman (Roy Orbisonのカバー)
1984/1984(1984年)
『1984』の解説
名実ともにVanHalenの最高傑作です。電子音とギターの生々しい音が融合した『Jump』、ライブで必ず盛り上がる『Panama』、テクニカルで斬新なリフの『Hot for Teacher』が収録されています。特に『Jump』は99%の人が聞いたことがあるのではないでしょうか。この最高傑作をもって、初代シンガーの「デイヴィッド・リー・ロス」は脱退してしまいました。
『1984』の必聴曲
・Jump
・Panama
・Hot for Teacher
5150/5150(1986年)
『5150』の解説
新シンガーの「サミー・ヘイガー」を迎えた最初のアルバム。エディは自身のアンプやギターに「5150」と名前を付けるほど気に入っているのですが、あまり話題に上がらない作品です。個人的には、VanHalenの最高傑作だと思っています。サミーの、高くなるほど鋭くなる声を堪能できる名アルバムです。
『5150』の必聴曲
・5150
・Why Can’t This Be Love
・Dreams
・Best of Both Worlds
OU812/OU812(1988年)
『OU812』の解説
『When It’s Love』と『Black and Blue』を聴いておけばいいかな、と思います。個人的にはシンセサイザーの音・リフ・リズム感が秀逸な『Feels So Good』が好みです。
『OU812』の必聴曲
・When It’s Love
・Black and Blue
・Feels So Good
For Unlawful Carnal Knowledge/F@U#C%K(1991年)
『For Unlawful Carnal Knowledge/F@U#C%K』の解説
過去2作連続でシンセサイザー・キーボードがメインのアルバムでしたが、本作はエディの過激なギターを中心とした楽曲が多く収録されています。『Right Now』は、全てのロック音楽の中で最もギターソロが美しい楽曲だと思っています。
『For Unlawful Carnal Knowledge/F@U#C%K』の必聴曲
・Right Now
・Top of the World
・Poundcake
Balance/バランス(1995年)
『Balance/バランス』の解説
バンド初のイギリスTOP10入り、全米1位を獲得したアルバムです。前作の『F@U#C%K』と違い、オルタナティブロック調の作品。全体的にどこか爽やかさを感じる楽曲が多く、エディのギターも丸みを帯びた落ち着いた音になっています。激しいハードロックではなく、美しいバラードさを感じるアルバムです。シンガーのサミーヘイガーは本作をもって脱退しました。
『Balance/バランス』の必聴曲
・Can’t Stop Lovin’ You
Van Halen III/ヴァン・ヘイレンIII(1998年)
『Van Halen III/ヴァン・ヘイレンIII』の解説
ロックバンド「エクストリーム」のシンガーであるゲイリー・シェローンを迎えた最初で最後のアルバム。すべてにおいて、評価が悪い一枚です。僕も本作で気に入っている楽曲は1曲もありません。売上枚数も少なく、VanHalenビギナーの方がわざわざ狙って聴くアルバムでもないと思います。恐らく、唯一リマスターされていないアルバムなので、新品は異様に高額です。ただブックオフで投げ売りされています。
『Van Halen III/ヴァン・ヘイレンIII』の必聴曲
特にありません。
A Different Kind of Truth/ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース(2012年)
『A Different Kind of Truth』の解説
14年ぶりのアルバムで、初代シンガーのデイヴィッド・リー・ロスが復帰した一作です。14年の間にバンドは空中分解。ベーシストのマイケル・アンソニーが脱退し、代わりにエディの長男であるウルフギャングが参加しています。バンドメンバー4人のうち3人が親族という歪なことになっています。また、エディが2020年10月に亡くなったため、最後のスタジオアルバムとなりました。
1枚目ほどの勢いはないものの、完成度の高いギターロックアルバムです。時代とともに録音機材の性能も上がってきているのか、音がクリアで上品です。バンドが持つグルーヴやウネリも十分で、「良くできているアルバム」です。
『A Different Kind of Truth』の必聴曲
・As Is
・China Town
・Honeybabysweetiedoll