【書評】樺沢紫苑『学び効率が最大化するインプット大全』 人は、見聞きした情報の97%を覚えられない

 

今回紹介する本は 樺沢紫苑著『学び効率が最大化するインプット大全』です。

皆さんはスマートフォンをうまく使えていますか? いろいろなサイトから必要な情報を探し出せていますか?

僕は情報を探し出せても、なかなか頭に入れられず。効率よく情報をまとめて、身に着けられないかなと悩んでいました。学生時代のテスト勉強や仕事のことで、皆さんも経験があると思います。

 

『インプット大全』のあらすじ

 

本書は、効率的な情報のインプット方法を紹介したものです。

「ちょっとだけのつもりが1時間もTwitter見ちゃった」「情報が多すぎて、頭が整理できない!結局どれが正しいんだっけ?」といった、現代人のあるあるを解決する一冊。

それ以外にも、人とどうやって話すべきか、絵画や映画など芸術作品の見方など、ありとあらゆる「インプット」について書かれています。

『インプット大全』の感想・レビュー

 

インプットするからには、目的を決める

 

はじめに紹介されている実験によると、175人に「ここ1週間インターネットで見た情報を可能な限り思い出してください」と質問したところ、思い出せた数の平均値は3.9個だったそうです。

1日に20個の情報に触れているとすれば、1週間では140個。そのうちたったの4個しか思い出せなかったと。つまり、情報の定着率は3%になります。

残りの97%は、情報に触れていないのと同じ。つまり、時間を無駄にしているということです。

 

こういった時間のロスを減らすため、まず重要なのは「目的を決めること」です。

「英語の勉強がしたい」と思いつき勉強を始めたけど、目的がない。このような人は、いつまで経っても英語が話せるようにならない。

「留学がしたい」「外資系企業で働きたい」「好きになった人が外国人だった」といった、具体的な目的がないと情報は定着しません。

アウトプットする前提でインプットしろ!

 

なんで情報をインプットしたいのですか?

物知りになりたいから?資格を取るため?営業のネタに?

それらは全て「アウトプット」に繋がりませんか?

「物知りになって、誰かに話したい」「資格を取って、困っている人を助けるような仕事に就きたい」「営業先で話して、契約を取りたい」

すべて最後はアウトプットです。

 

「最後はアウトプット」を意識してインプットすると、情報の見方が変わります。

例えば映画を見るときは、「この映画を15分で誰かに説明できるようになろう」と思って観てください。

ストーリーに対する意見や演出など、細かなところにまで意識が集中するようになります。

目的はより具体的に

 

とはいえ、ビジネス書や専門書を読むときは色々なことを同時に吸収しようとしちゃいますよね。

雑談の本だったら、「感じのいい挨拶の仕方」「表情の取り方」「会釈の角度」「会話の内容」「話題の作り方」など雑談の1から10までを知りたくなります。

ただ、人間は一度に3つのことしか吸収できないと著者はいいます。

なので本を読み始める前に、「この本では、声の出し方と良い印象を与える表情、相槌の打ち方を勉強しよう」と決めてから読み始めます。

すると「どこでその話が出てくるかな」「この話も表情の作り方と関係があるかもしれない」

という風に、一文一文気を付けて読むようになります。

 

「え?それじゃあ、せっかく1冊買ったのに、3つまでしか知識得られないの?」

そんなことはありません。別の目的を決めて2週目を読めばいいんです。一度読んだだけで全てを理解しようとすると、混乱して何も得られないと著者はいいます。

まとめ

 

①目的を決めてインプットする

②アウトプット前提で作品と向き合う

③1回で得られる情報は3つだけ

以上が、本書の印象的な部分でした。

 

他にも、

・実際にどうやればインターネットで効率よく情報を得られるのか

・正しい情報を得るための取捨選択

などの、ありとあらゆる情報との向き合い方について、メリットとデメリットが書かれています。

 

情報過多で疲れてしまっているあなた!ぜひ読んでみて下さい。

 

著者・本の詳細

 

著者:樺沢紫苑

ページ数:364ページ

発売日:2019年8月3日

出版社:サンクチュアリ出版

最新情報をチェックしよう!